「リーンスタートアップとアジャイルがごっちゃになって、よくわからない」
そう思われていませんか?
今回は、リーンスタートアップとアジャイルがそもそも何かを解説しつつ、
両者の違いについて解説します。
リーンスタートアップとは、四つのステップから成り立つ事業運営手法の一種です。
自分たちが想定した顧客、その顧客が抱えるニーズ、そのニーズを満たすようなサービスやプロダクトとはなにか?について仮説を立てます。
その仮説をもとに、なるべくコストをかけずにサービスやプロダクトを作成します。
この段階でのサービスやプロダクトをMVP(Minimum viable product)実用最小限の製品
と呼びます。
「構築」の段階で作成した、MVPをアーリーアダプターに実際に使ってもらいます。
アーリーアダプター(Early adopter)とは初期採用者という意味で、自らプロダクトについて興味をもち情報収集をするような、流行に敏感な人を指します。
例えばゲームが発売される際に、先行体験版に申し込むような人たちです。
そしてアーリーアダプターの反応をしっかりと確認します。
「計測」の段階で集めた、アーリーアダプターの反応や意見を元にMVPの改善をします。
「計測」の結果、そもそもの仮説が間違っていた。
そんな場合は仮説自体を変え、それに応じてMVPも作り直す必要があります。
そのことをピボットすると言います。
基本的には、上の「構築」「計測」「学習」の三つの工程を1セットとし、
完成まで何度も繰り返します。
これがリーンスタートアップです。
アジャイル(アジャイル開発)とはシステムやソフトウェアを開発する際の手法の一つです。
開発の工程や仕方に特徴があり、一週間から四週間の期間を設け、
その中で「設計」→「要件定義」→「開発」→「リリース」をすべて行います。
その一週間から四週間の期間を、システムが完成するまで繰り返すというやり方です。
そしてその期間をイテレーションと呼びます。
そのイテレーションですが、「設計・要件定義」~「リリース」までのすべての工程を
同じメンバーで構成されたチームが担当します。
従来の開発方法では、設計や開発、テストは別々の担当者はおろか別の部署が担当するのが当たり前でしたが、アジャイルでは同じメンバーが担当します。
それがアジャイル開発の仕方における最大の特徴です。
上記の説明を踏まえて、
このようにイメージすると理解しやすいと思います。
この二つの方法論ですが、よくよく見てみると二つは全然違うものを指してることがわかると思います。
しかし、ごっちゃになってしまったり、よくわからない事態が発生することが起きてしまいます。なぜなら二つが同じ文脈で語られることが多いからです。
ではなぜ同じ文脈で語られるのが多いのでしょうか。
同じ文脈で語られる理由として、「二つの構造が似ている」「リーンスタートアップとアジャイルは相性が良い」の二つがあります。
アジャイルは「要件定義」→「設計」→「開発」→「テスト」→「リリース」を一セットとし何度繰り返し、リーンスタートアップは「構築」→「計測」→「学習」を一セットでなんども繰り返します。
これらを図にして表すとより似ていることがわかると思います。
リーンスタートアップは「計測」の段階で顧客からのレビューを受け取り、「学習」の段階でそれをもとにプロダクトの改善をします。
その一連の作業を何度も繰り返す訳ですから、ウォーターフォールのような基本的に工程を繰り返さない開発手法では、リーンスタートアップを活用するのはなかなか難しいと言えます。
そこでアジャイルの「要件定義」から「リリース」までをなんども繰り返すやり方であれば、リーンスタートアップともよく組み合わります。
ですので、リーンスタートアップとアジャイルは相性が良いと言えます。
今回は、リーンスタートアップとアジャイルの違いと両者の関係性をまとめました。
両者の似ている点だけではなく、なぜごっちゃになってしまうのか、その理由も知ることで
リーンスタートアップとアジャイルをより深く理解できたのではないでしょうか。
リーンスタートアップについてもっと知りたい方はこちら
→リーンスタートアップのメリット、デメリットを徹底解説!
アジャイルについてもっと知りたい方はこちら
→【どっちがいい?】ウォーターフォールとアジャイルを徹底比較!